S&W [独り言]

今日は忙しいんで軽めに・・・。

ののお~。






毎回駄菓子のお話をしていて、いつも思うことがある。
そういや俺の通っていたあの駄菓子屋、まだあるのかなぁ・・・。
自分ももう33です。
20年以上昔のことを今更とやかく言うのはアレなんですが、やっぱり少しは気になる。
そんなワケで、今日はちょっとした昔通っていた駄菓子屋のお話なんぞをしようかと思います。



スミス&ウェッソン。
そんな冗談みたいな名前の駄菓子屋に、当時小学5~6年から中学2年くらいまで通いつめていた。
勿論、このスミス&ウェッソンという店名は通称である。
誰が名付けたかは不明だが当時からそう呼ばれていたので、頭の悪い俺なんかは特に気にもせずそう呼び続けていた(ホントは確かナントカ商店)。
通称スミさん。
お~い、今日帰りにスミさん寄ろうぜ、が合言葉だった。
長方形の細長い店内の一番奥にいつも鎮座ましましている婆さんが常に我々に鋭い視線を浴びせ、万引きなどという愚かな行為を未然に防いでいた、そんなお店だった。

入って右の陳列棚に駄菓子、そして左には2つ、3つのテーブル筐体が並び、その当時のちょっと型遅れのゲームで我々小僧どもを日々楽しませてくれた。
店内に入るやいなや30円のオロナミンC程度の大きさのサイダーを手に取り、右手で適当に今日の獲物を捕獲、奥の婆さんにシルバーコインを一枚ジャスト。
おもむろに椅子に腰掛け、バブルボブルのタイトーの文字煌く筐体に穴のあいたお金をインサート。
気が付くと何人か知った顔が辺りをうろついている。
ニヤニヤする奴、店の前に座り込み一心不乱に駄菓子を貪る奴、ああ2組の仕切り屋は今日もブタメン(しょうゆ)だ。
ステージとステージの間、ほんの一瞬の時間に顔を上げる。
空はふてくされたような曇りだが、ここには何の一点の曇りもなかった。
土曜日の、半ドンの、そんな日は今日も暮れてった。


中学1年。
その頃はなにもかもが新しかったが、それと同時になにもかもが新しい経験の連続だった。
いつものようにS&Wに顔を出すと、一番奥のテーブル筐体に見慣れた面子が。
そいつらは中学2年で、いわゆるヤンキー。
聞くところによるとその中の一人はこの店の息子だというが、真相は知らない。
この辺の顔役で、関わるとメンドくさい。
ツイてない、そう思いながらもいつものように30円のサイダーを手に取り、いつもの場所へ。
当然お声がかかる。
メンドくさい、声かけるならゲーム始まる前にしろっつーの。
何?カツアゲか?因縁か?
店の奥の婆さんは目を光らせていたが、目を光らせていただけでなんの救いにもなっちゃいなかった。
覚悟を決めて顔を上げる。
4人、そのうちの1人が俺にこう言ってきた。
コレ、俺ヘタなんだよね。上手いね、キミ。
そのとき、曇り空でも光は差すんだと悟った。
エクステンドの文字は虹色のバブルで、まだまだ不慣れな俺を楽にさせちゃくれない。
だがこんな俺でも上手いと言ってくれる人がいる。
そこで何面まで行ったかは覚えてないが、光の差したテーブル筐体のおかげで、俺はコイツらとも仲良くなれた。
おおありがとう、バブルボブル。



そういった思い出の詰まった場所、それがスミス&ウェッソンだった。
最近この場所の近くを通る機会があって、久々にそこを訪れたいと思った。
店舗はあった。
だが店そのものはもうとっくの昔にやめていたらしく辺りには草が生え、ただの一軒家になってしまっていた。
まぁでも仮にその店舗があったとしても、もしかしたら今の俺は入れなかったかもしれないが・・・。

思い出はいつの間にか風化していって、気が付くと美化された風景しか思い出せなくなっている。
当時ココでも嫌なコトはあったハズだが、不思議と思い出せないのはそういった補正がかかっているからだ。
でも別にそれでもいい。
いい事も悪い事も全部ひっくるめて思い出だ。
昔ソコに確かにいたという記憶があればそれでいい。
昔を思い出すのもヨシ、友達とワイワイ懐かしがるのもまたヨシだ。
お前も今度、昔通っていた駄菓子屋を訪れてみるといいかもしれない。
ノスタルジックな気分は、いつだって人をハードボイルドな気持ちにさせてくれるハズだから(笑)。










追記。
ウチの近所の駄菓子屋はもうとっくの昔に全滅です。
ああどんどん昔の風情が失われていく・・・。






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